2010年8月6日金曜日

有機農産物は安全?安心?

有機農産物は、有機栽培の認定を受けた作物をいう。
何となく他の農産物に比べ良さそうだけど、どうなのか?
「有機栽培は、安全・安心」 と表現する人もいるが、どうなのか?
わかりにくい。
有機農産物はどんなものなのか、安全・安心かどうかという見方から述べてみる。

結論から言うと、「安全というよりは安心」の方がしっくりくる。



では、有機栽培とはどんな生産方法なのか?
単純にいうと、決められた農業資材(栽培するときに使う肥料や農薬)以外は使っていない栽培方法を言う。
生産者は、このように栽培している状況を証明しなければならない。
そのために、決められた手続きにそって書類に残すこと、
定期的に残留農薬などを検査すること、
が求められている。

有機栽培で使われている有機という言葉の意味は、生物の働きで作られたモノ(物質)である。
有機と対比的に使われる言葉は、化学合成だ。
例えば、
木の葉が枯れて積み重なったモノ(腐葉土)は有機。
粉末状に粉砕したリン鉱石に硫酸を作用することで製造された化学肥料は化学合成で有機ではない。
農薬については、天然の材料をつかっていて化学的でない作られ方をしたものは、有機栽培で使っても良い。
先の例のように、硫酸を混ぜて成分をとりだしたり、成分同士を合成したりする方法で作られたものは、使うことができない。

だいたい、このような考え方に基づいて、使用可能資材、不可能資材を区別している。

では、天然成分の農薬だから安全なのか?というとそうではないのが難しいところだ。
植物には、種を虫などに食べられることを防ぐため、ある種の毒を作りだすものがある。
この天然の毒から作られた農薬となると、虫にとってだけでなく人間にとっても毒になる危険性がある物質を使うことになるわけだ。
しかし、毒だから単に危険というわけではない。
身体に入れる量が問題となるのだ。
薬なんかは、少量飲むから薬になるのであって、量を間違えて大量に飲んでしまうと毒になるのだ。

毒になるか薬になるかの同じことが、化学的農薬にもいえる。
適量を使う限りでは毒ではなく安全というわけだ。

つまり、適量の農薬を使っている全ての農作物は安全だ、ということになる。
結論の一つが出てきた。
「有機栽培だから安全というわけではない、なぜなら全ての農作物は安全に生産されているから」有機栽培の研修で講師は言った。
「だから、有機栽培農産物を売る際に、安全と宣伝しないようにして下さい。有機栽培ではない農産物は、安全に生産されているのに安全ではないということになるから」
何かおかしい。
安全かどうかを公に決めるのは、食べる方ではなく制度を作る方なのだ。
「有機栽培は安全」という表現は、違反まではいかないが誇大表現をしているということになる。
もう一つの結論、安心はどうか?
安心は、人を信頼するところから来る。
制度や数値で証明されていないことでも、生産者を見てその人やその人の行いが誠実で信頼できるとなれば安心というわけだ。
生産者を実際に見ることができない場合でも、栽培方法の証明があれば、安心できるだろう。
インターネット通販の場合、人を実際に見ることはできないので、有機栽培の証明「有機JAS」は良い目安になる。


つまり、有機栽培は「安全というよりは安心」の方がしっくりくる、というわけだ。

有機栽培の生産方法は本当に安心できるのか?
次回以降にお伝えしたい。

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