2010年11月2日火曜日

薄味のランチ

めぐみ食堂のランチは、味が薄いと言われる。
味気ないという人もいれば、薄味でちょうど良いという人もいる。

めぐみ食堂の味付は、食べ終わったときにちょうど良いくらいの味の濃さを目指しているのだ。
「外食では、一口目が美味しく感じられるように、普通より濃いめにする」のが常識だ。
お客さんは、一口目でその店の美味しさを評価するのだそうだ。

一口目のアジのパンチを重視せず、食べ終わったときにちょうど良いくらいの味付けを心がけることは、飲食業では非常識なことで冒険だ。
日替わりの一例 唐揚げランチ

僕自身、外食で食べ終わったとき、満腹感と疲労感を感じる。
身体が重く感じるのだ。

うまみの黄金トリオが「食品の裏側」に紹介されている。
一口目で旨く感じられる味付の秘訣は、「塩」「化学調味料」「たんぱく加水分解物」の三つ。

インスタントラーメンもスナック菓子も味の基本は同じ。
後は風味エキスを加えるだけで、とんこつスープも昆布だしもコンソメ味も自在なのだそうだ。
これには驚いた、というより、食べてなるほどと思った。
スナック菓子にしろインスタントラーメンにしろ同じメーカーの商品は似たような味がする。
鼻がつまって香がわからないときに食べると、違いが感じられなかった。
味覚が狂っていたのではないのだ。

うまい味付けはバランスで決まる。
塩味が強くなりすぎると甘さを増やせばバランスがとれ美味しくなる。
そのかわり味付けが濃くなっていくが、濃ければ濃いほど微妙な違いが感じられなくなる。
そして味付けが濃くなると素材の味がわからなくなるのだ。

近年出回っている食材は、昔に比べてそのものの味が薄くなった。
たとえば野菜。
野生の植物を品種改良して、作りやすく食べやすくしているのが野菜だ。
野生の植物は、そのままでは味が濃すぎ繊維が強すぎて食べにくい。
さらに生産量も少ないため、食材として一般化できるものではない。
こうして野菜は品種改良が進んでいく。

作物を大量に効率よく生産するため化学肥料が開発され、化学肥料に合った特性を持つ野菜がどんどん出回っている世の中だ。
化学肥料で育った作物は、生育がよい代わりにビタミンやミネラル等の微量成分が少なくなる。
このため野菜そのものの味、栄養が少なくなっている。
味が少ない野菜を美味しく食べるために調味料の種類が豊富になったという見方がある。
逆に、一般の人がいろいろな調味料を大量に使うように仕向けるため、農薬や化学肥料を大量に使う作物を増やすため、食品業界と農業関係業界が仕掛けたという見方もある。

めぐみ食堂で使う食材は、旬のもので化学肥料を使っていないものばかりだ。
その分、素材の味がいいと使った人からお褒めの言葉をいただいている。
だからこそ調味料はバランスよく薄味にし素材の味を引き出す味付けを目指している。

「ここの食事のおかげで体調がよくなった」
「体にしみこむような食事で、食べ終わった後も気持ちがよいものでした」
お客さんからこのような声が聞こえてくる。
「常識はずれ」の薄味ランチの価値が見えてくる感想だ。

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