日本の野菜は「安全」と信じている人は多いと思う。
お隣中国の残留農薬の規制が甘すぎたり、アメリカから輸入する農産物のポストハーベスト(収穫後に作物に直接農薬を振り掛ける)の問題がひどかったりするので、対比して安全だと思えるのかもしれない。
実際は、作物にもよるが「よりまし」という程度だろう、と思いきや、そうでもなかったりする。
ミツバチの大量失踪が世界中で話題になったとき、いちばんの原因とされたのが「ネオニコチノイド系農薬」だ。
生態系への影響が心配され、環境保護系の人たちや化学物質過敏症の人たちなどから嫌われている。
この農薬は、昆虫の神経に作用し、興奮状態を持続させることで死に至らしめる神経毒である。
ウィキペディアには、「天然物であるニコチン、ニコチノイドは古くから殺虫剤として使われているが、人畜に対する毒性が高い。そこでこれらを元に毒性を低減すべく開発された。」とある。
「ネオニコチノイド系農薬」は人間には作用しないことになっている。
偉い人が、そう決めたのだろうか?
実際には、「ネオニコチノイド系農薬」の被害とされる例が多数出てきている。
松枯れ防除のためのネオニコチノイド系農薬「アセタミプリド」空中散布の後、頭痛・吐き気・四肢脱力などを訴える患者がでてきた。
アセタミプリド残留のお茶を飲んで、同じような症状を訴える患者がいた。
などの国内(群馬県)での症例がある。
科学雑誌「サイエンス」(2012年6月27日号)に「ネオニコ系農薬のリスク」と題する中国人による論文が発表され、「有機リン系とネオニコ系農薬が様々な発達障害の原因となる可能性を示している」という日本人研究者の論文が引用された。
このように非常にリスクが高いといえるネオニコチノイド系農薬は、農作物の安全性の高さを誇る日本では、さぞかし厳しい規制があるのだろう、と思ったら大間違い。
以下アセタミプリドの残留農薬規準の国際比較(単位:ppm)をあげてみる。
お茶 日本 30 EU 0.1 米国 - 日本の基準はEUの300倍甘い!
リンゴ 日本 2 EU 0.7 米国 1 日本の基準はEUの2.86倍甘い!
ブドウ 日本 5 EU 0.2 米国 0.35 日本の基準はEUの25倍甘い!
イチゴ 日本 3 EU 0.5 米国 0.6 日本の基準はEUの6倍甘い!
モモ 日本 2 EU 0.1 米国 1.2 日本の基準はEUの20倍甘い!
EUは総じて厳しく、日本は甘いことがよく分かる。
これだと農薬の安全性に敏感な海外の人は、日本の農産物は欲しくないに違いない。
高付加価値にならない、中国産のように安売りするしかない、と思うのは僕だけではないだろう。
参院選に自民党が圧勝し、早速TPP交渉会合に参加した。
安倍首相は「日本の農業は守る」といい、「強い農業」「攻めの農業」に転針する方針を 示している。つまり、付加価値の高い農産物生産を目指すということですか首相。
と期待すると、必ずといっていいほど裏切るのが日本の政治家だ。
例に挙げた残留農薬の規制を厚労省はさらに甘くしている。
え~つまりはどういうこと?
農薬売りたい人のための政策ですか?
日本の農産物の付加価値をあげて欲しくない人のための政策ですか?
神経系の疾患を増やしたい人がいるんですか?
といろいろ勘ぐりたくなる。
地域の農家の人たちは、農協の指導の下、毎日汗びっしょりになって作物を作っている。
お米の場合、カメムシに籾を吸われると黒いほくろのような斑点ができる。
これがそこそこあると、農協が農家から引き取るときに値段に影響する等級が下がるので、多くの人は農協の指導に従ってカメムシ防除のためにネオニコチノイド系農薬を使う。
つまり、どんどんネオニコチノイド系農薬を使う量が増えていると考えて間違いではない。
カメムシによる斑点は、被害にあったとしても極わずかなので、色彩選別機にかけるとほとんどとれてしまう。
カメムシによる斑点の付いたお米は食べても害はないので、「無農薬」を掲げる農家の中には斑点があるお米が少し混ざっていますと断って販売している人もいる。色彩選別機が普及していないころは、斑点のあるお米がそこらじゅうにあったと思う。
食べる人からすると、お米の黒い斑点はないに越したことはないが、目に見える斑点より残留農薬の方が恐ろしいと分かる人が増えればいいな、と期待している。
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